あさのあつこ著:「弥勒の月」読了です。
あさのあつこさんの時代小説としてびっくりして読みました。
去年本屋さんに行ってたまたま見かけた本だったです。
装丁の簪のイラストがとても印象的で「あさのあつこさんが時代小説なんて書くんだ、、、」
と思い手にとって自宅に帰った次第です。
そして読み進めると、岡っ引きの伊佐治を親分と呼ぶ八丁堀同心の小暮信次郎が
とても冷淡で無愛想でありながらも可愛く、それをも見守る岡っ引き伊佐治と
ミステリアスな小間物屋の清之助・・・。
伊佐治は信次郎と清之助の二人とは対象的な市井に生きる人間としての
普通の幸せを望む心情を綴っているのがとても素敵です。
ネタバレになりますが、小物屋の旦那清之助は闇を持つ忍のような過去があり
忍者好きの私にとってもとても楽しめました。
ただのミステリー捕物帳ではなく、人間の闇をあさのさんの独特な
軽いタッチで書いてある時代小説としてとても読み応えがあります。
また男女の閨については諸田玲子さんのタッチとはまた別の艶めかしい表現は
女性が書いたものかとびっくりもしました。
驚いたのは、後書きをあの児玉清さんが書いていること。
とても高い評価でさもありなんと思いました。
読者が女性と男性とでは意見の分かれる1冊だとは思いますが
私はとても楽しめましたので、続編を購入しましたよ。