さて、函館では2件の昆布問屋さんを訪問し、今後の昆布の行く末などなど
とても勉強になる事が多かったです。
※この昆布は私の為に特別に保管して寝かしてもらってる昆布です。
漁師さんが大切に育てた真昆布の一番根っこに近い所です。(ってまだ根っこ付いてるしw)
15年位前に長期に滞在し漁のお手伝いもさせて頂いた
黒口浜の漁師さんのお宅にもお邪魔しました。
「今年は、毛(細かな海藻)が多くてそれを昆布の表面から取るのだけでも
今年一杯かかりそうです」と聞きました。
ということは、採った昆布は出荷出来ないって事ですね。実入りが無いって事です。大変な作業が待っているのです。
当然ですが、漁師さんは「お金」になる昆布を採ります。それも漁期が限られてる中で
先に採ります。
昆布は「胞子」という種(植物ですから、種があるわけです)を出して繁殖します。
お金になるからと言って胞子が出る前に採ってしまうと来年、再来年の昆布が育ちません。
もちろん、漁師さんだって分かってる訳ですが、規制があるわけではありませんから
自己責任になります。静岡の桜えび漁のように「禁漁」にするなら別ですが、、。
函館の地域の昆布はもうずっと前から天然だけでなく「促成」「養殖」事業を活発に
やっており、ちゃんとした製品として流通しています。「海の養殖」というと
生簀や筏に囲まれて・・・・という何となく「人工的」というイメージがありますが、そうではなく
人工的に胞子を育成し、それを漁師さん自らロープに種苗して天然昆布が育っている同じ海で
丹精込めて育てます。間引きをしたり、場所を変えたりとそれこそ「腕の見せ所」ですね。
今回その「腕の見せ所」が実は「胞子を育てる」所にもあることがわかりました。
そうです!!「種なら何でも良い」訳ではないんですね。「胞子を作る名人」という方も
世の中にいらっしゃるんですね。
とっても明るい良い話を聞かせてもらいました(^^)
日高の漁師さん、函館の漁師さんお二人と今回お話させて頂きましたが
悲壮感などは皆無でした。
「このまま昆布が無くなる事はない」
「まだまだ出来る事は沢山あるし、既に個人個人でやってる」
※これは、マル秘の昆布ですw。来年の5月以降にはお披露目されるでしょう。
漁師さん頑張ってますよ〜。
「大きな組織がやるべきことをやってない」
と言われていたのがとても印象的でした。
私も環境の変化、温暖化などは毎年行ってるので
肌で感じています。
清水に住んでいてもめっちゃくちゃ暑いし、シラスは採れないし、桜えびなんで大きな問題になってるし
環境はどんどん変わっていっています。
そんな中で、
「北海道だけ全然変わらなくて昆布が今までと同じように採れる」
なんて事はありえません。
漁師さんも同じく毎日海を見ていてその変わりようにちゃんとアジャストしていて
努力をみんなしています。
※この、怪しい昆布は「根昆布」です、でも細すぎない???そうです。
促成の真昆布の根っこなんです。私も初めて見ました。すっごい香りが良いです(^^)
こちらは残念ながら非売品です。
私は東海道の静岡という昆布の歴史や流通からはやや外れた場所からずっと昆布を売り、
産地を訪ねそれなりの情報発信をしてきました。これからもずっと北海道に行き、
産地の漁師さんや問屋さんとのつながりは続けます。
読んで頂いた皆さんにちょっとでも「へぇ、北海道の昆布って今そんななんだぁ、、」と
思って頂ければ幸いです。