来月5/3久々に舞台の上でフルートを吹きます(^^)。
母校である静岡聖光学院吹奏楽部の50回記念演奏会で
OB合同バンドステージを設けていただきました。
先日初合わせの練習があったのですが、その様子をSNSにアップしたり
また、後輩の皆さんからも色々なレスポンスを頂いたので
一度ブログで纏めてみようと思いました。
私のフルート歴は中学1年生からです。
その前は幼稚園からピアノを弾いていました。
私立中学に進学したので、その入学祝いとして買ってもらったのが
こちらのヤマハフルートです。
https://jp.yamaha.com/products/musical_instruments/winds/flutes/yfl-311/index.html
YFL311という型番で頭部管が銀製で、ごくごく一般的なモデルでした。
近所の質屋さんに並び、ケースにかじりつくように見てずっと憧れていました。
4万円だったと記憶しています。
中学高校はずっとその楽器を使いました。先輩後輩を含め私の楽器は
一番安かっと思います💦。中高時代は本当に下手っぴいで、息の使い方を知らず
ずっと早いパッセージを吹けることが最良と思ってました(笑。
そして、大学に進学し、夏休みが終わった秋に玉川大学吹奏楽団に入部しました。
(※夏休みは自転車で北海道一周したので、部活に入りませんでしたw)
流石に、新しい楽器が欲しくなり、知人のつてを頼ったら
「櫻井フルート」さんを紹介してくれました。
http://www.sakuraiflute.com/
フルートと言ったら、ムラマツやミヤザワ、サンキョー、MATEKI、位しか知りませんでした。
無知な私は、まぁいいや、一度工房へ行ってみよう!と思って
紹介された住所へ行くと・・・・・・
東武東上線の武蔵嵐山駅が最寄りの駅でした。
え〜〜っ、東武東上線なんて乗った事無いし、、、結構山奥なんだけど大丈夫かな?
と恐る恐る、駅の改札を出ると、、、
自転車で待っててくれた方が、櫻井幸一郎さんの弟さんの櫻井清明さんでした。
当時私は19歳、櫻井清明さんは40歳前後だったと思います。
でも、自転車ですよ?自転車!!で「後ろの乗って!」と言われ
二人乗りで工房(というか、ほぼ掘っ立て小屋)に連れて行かれました。
「おーよく来たね!」と声を掛けてくれたのが櫻井幸一郎さんでした。
そう、このフルートを作った方です。
工房には、黒檀の筒がズラーーーーーと並んでいました。
そうです。木製フルートの管ですね。
もちろん、銀製、金製、はたまたセラミックのフルートもありました。
もうビックリです。こんな多くのフルートは生まれて初めてみました。
当然ですよね。フルート工房ってフルート吹きでもめった見られませんし、、
よくて、ヤマハの工場とか、個人のリペアーの工房とかですもんね。
櫻井さんはムラマツフルートで職人として活躍後独立して櫻井フルートを
設立しました。
(櫻井曰く、「フルネームが彫ってあるフルートメーカーは他に無いよ!」って。
それだけこだわりをお持ちでした)
興味津津の私に「とにかく吹いてみな」と言われ
横にあったフルート吹くと・・・・・・
「うーん、まだまだだねぇ、、特に低音!!全然音出てないじゃない」
といきなりのダメ出し!!!!(笑。
そりゃぁ、、そうですよね。大学一年生の小僧ですから、、。
当時知るよしも無かったのですが、既に世界的にハンドメイドのフルート制作では
名前が響いていて、その時も
「これ、宮本明恭さんに頼まれて作ってる黒檀フルートだけど吹いてみる?」
と言われ恐る恐る吹いちゃいました。今では良い思い出です。
予算を伝えると、それじゃあこの辺はどうだろうね?
と差し出されたのがコレです。
Sakurai Flute SS Model
頭部管銀、管体銀、その他洋銀、ソルダードトーンホール、リングキー、Eメカ付き
ずっと使っていたヤマハのフルートがEメカ付きだったので、コレを選んだのですが
櫻井さんからは、「何だ〜〜Eメカ付いてないと音出ないのか?」と言われました💦。
リングキーには憧れていたのでもう即決。吹奏楽なのでH足部管は要らないかなと、、
そして、頭部管のリップには彫刻を入れてもらいました。
櫻井フルートなので「桜」です(^^)
私は玉川大学吹奏楽団に所属していましたが、その玉川大学の創始者の小原國芳先生は
鹿児島の久志という所が故郷です。で!!!???何とこの櫻井幸一郎さんも
鹿児島の久志に近い故郷ということで、話が超盛り上がり、、お昼をご馳走になり
(近くの食堂でカツ丼食べたなぁ、、)この彫刻もサービスしてもらった経緯があります。(超ラッキー!!)
補足しますが、リップに彫刻を入れても別に音が変わったり、滑らなくなったりという事はほぼ無いです。
ただ、櫻井さんは「フルートは良い音が鳴るのは当然だけど、やっぱ美しくないとね」と言われていました。
随所に彫金として技術の高さが垣間見られます。
楽器を組み立て吹いてみると、、、
「あぁ、やっぱ低音が出ないねぇ、、もっと練習しないとね・・・ちょっと貸してみな!」
と言われて、すぐに頭部管の吹口の奥を削ってくれました。
ここです。不思議なもので、低音が出やすくなりましたネ(^^)
フルート吹きの方はご存知だと思いますが、フルートの管って
2つの穴をあける方法があります。
https://naru-gakki.com/flute-tonehole/
引き上げとソルダードです。
引き上げは、その名の通り、円筒の管を引き上げる方法です。
ですから、正確には管全体が歪みます。まん丸ではないのです。
逆にソルダードは、穴を開けてそこにハンダ付けをします。
重厚な音が出るようになると言われています。でもハンダ付けすることで
重量が重くなり、経年劣化もあります。
大学四年間は農学部でしたが、農学部というより「吹奏楽部」という程ずっとフルートを
吹いていました。楽器の性能の100%を出せたとはさらさら思っていませんが、自分なりに
「あぁ、楽器鳴ってるな」「ブレスを上手に使って楽器を操れているかな?!」位の感触は
ありました。
本当に良い楽器に巡り合うことが出来て私は幸せです。
貯金して櫻井さんに里帰りさせてオーバーホールしてもらおうと思っています。