少々お恥ずかしいですが・・・💦
2021年8/5号の静岡ビジネスレポートの
「私の本棚」に執筆依頼を頂き、とっておきの一冊をご紹介させて頂きました。
お話を頂き最初に思ったのは、小説は嗜好性が高いので嫌だし、ビジネス書は私が読まないので
となると、もうコレしかありませんでした。
永六輔さんの「商人」です。
これは、永さんがインタビューしたり、お会いになった職人、商人の方々の
珠玉の言葉を集めたものです。
以下、原稿です(^^) ご笑読下さいませ。
「わたしは正札を、考え抜いてつけてるんだ。値切る奴には売らない」」
冒頭の商売人の言葉は、ぶっきらぼうに聞こえますが
思わずハッとしました。まだ30代の小僧だった私は
店頭で家庭の食卓を守る主婦のお客様相手に味噌や昆布を売っていました。
「ねぇ、負けてよ」「消費税サービスしてよ」とそんなやりとりに一喜一憂しながら
日々を送る中、永六輔さん著「商人(あきんど)」に出会いました。
親父の背中には何も書いてありませんし、誰も接客の作法など教えてはくれません。
この本の中には商売の先輩たちが何百人もいました。まさに指南書、バイブルです。
当時はその言葉に、ただただ背中を押してもらっただけでしたが、50歳を過ぎた今ではその言葉の裏には
三日三晩、製品(サービス)の価値を正確に判断し粗利や販売数を勘案し、お客様が喜び且つ納得してくれると熟考を重ねた
ものがあったことが解ります。もちろんその値段で買って頂くための接客や商品の品質向上などの経営努力は
当然の事です。1997年に自ら自社サイトを作成しデジタル好きを自負していますが、商人(あきんど)としての本質を
見失わないように20年以上も前に発刊された、この本を今でも手元に置き読み返す日々です。
最後に、、この言葉も常に頭の片隅に置いています。
「商品を紙で包まないでさ、言葉で包めばいいんだよ」