西村 賢太著 税込価格: ¥1,260 (本体 : ¥1,200) 出版 : 新潮社 サイズ : 20cm / 147p ISBN : 978-4-10-303232-8 発行年月 : 2011.1 利用対象 : 一般 |
第144回の今年の芥川賞受賞作です。いはゆる私小説ですが、私はなかなか面白かったです。日雇いの仕事しかしない(出来ない)怠惰な生活を送る主人公は芥川賞のインタビューで風俗行こうと思ってた。としらっけた顔で言ったあのままです(笑。私も学生の時に一度日雇いの港湾仕事をやったことがありますが、まぁ何と言いましょうかすげぇ人達が集まっていた事を思い出します。アル中のおっちゃんや、貧乏学生など、、。食堂で食べた貧相な昼飯も忘れられません。
この主人公は普通の人間ならば人に対して行ってはならず、心の中で「こいつ、全くブルジョワジーだよな、金持ちだよな、おめぇなんて、、、」というような事をキレてバシバシ言ってしまうんです。ある意味痛快というか、我々を代弁していて全ての苦役を背負ってくれているというか、、、(^^;;;;。
人間誰しも、言わないだけでこういうダークな所ってあるよな〜と思える一冊でした。文芸春秋で読みましたが、もう一つの受賞作は最初の一ページで挫折しました、、。